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医療×AIのデファクトスタンダードを
確立する。その覚悟の中で、
新型コロナ診断支援AIの
歴史的スピード承認。
医療×AIのデファクトスタンダードを確立する。
その覚悟の中で、新型コロナ診断支援AIの
歴史的スピード承認。
ビジネス職杉原賢一 2019年中途入社

世の中に旗を立てたい。
価値を生むビジネスを立ち上げたい。

私がエムスリーに入社したのは、2019年の2月。新卒で入社したリクルートでの医療関連新規事業開発を通じて、様々なドクターとの出会いがありました。それがきっかけとなり、医療系ベンチャー企業に参画。副社長として累積25億円を調達できる規模まで育て上げ、次のステップに進むことを決断しました。医療の領域にこだわっていたわけではなく、とにかく世の中に旗を立てたい、価値を生むビジネスを創りたいという想いがあったんです。結果的にエムスリーに入社することになるのですが、それまでずっと「打倒エムスリー」という感じでビジネスをしていたので、まさか自分が入社するとは思っていませんでした。

これは、世界的な大流行になる。

2020年1月中旬に中国・武漢で新型コロナウイルスが流行し、「これは日本を含め世界的な大流行になる」とすぐに社内で注視を始めました。感染すると1割が重症化するとされ、しかも急激に憎悪して肺炎症状が現れるため、胸部CT画像の診断がとても重要になる。「その診断にAIが使えるのではないか」と、私が所長をつとめるAIラボが中心となり、1月末に新型コロナ診断支援AIのプロジェクトが立ち上がりました。

異例中の異例のスピードで認可。

調査を進めていくと、最初の流行地となった中国で、新型コロナウイルス肺炎のAI画像解析システムを作っているベンダーが数社あるとわかりました。その中でクオリティの点で頭一つ抜けていたアリババ集団に日本国内での提携を打診。6月には「COVID-19 肺炎画像解析プログラム Ali-M3」の製造販売の承認を国から得ることができたのですが、このスピードは異例中の異例だと言えるでしょう。新しい医療機器はPMDA(医薬品医療機器総合機構)がその意義や性能評価、企業評価などを一つずつ審査していくため、認可が下りるまでに通常1年半〜2年かかります。それを初回面談からわずか80日で承認まで漕ぎ着けたのは、国内最速の記録です。

国と医療を動かすネットワークと信頼関係。

なぜそれが実現したのか。背景にはさまざまな要因があったと思います。新型コロナが急激に拡大し、4月には最初の緊急事態宣言が出され、医療現場が逼迫をはじめていた状況。そうした中で、「国内最大の医療ベンチャーであり、テクノロジーと医療ネットワークを持つ我々が貢献できなくてどうする」という使命感がプロジェクトの推進を強く後押ししたのは事実です。また、医師や医療機関の協力をいただけたことも大きかったと思います。いち早くダイヤモンドプリンセンス号の患者を受け入れ、肺炎画像の読影を経験されていた松本純一先生をはじめとする聖マリアンナ医科大の先生方に協力いただき、3月から各地の医療機関に対して新型コロナ肺炎の遠隔画像診断無料サポートを実施しました。AIを試験的に活用したところ、高い精度で診断できることが判明し、我々の大きな自信にもなりました。先生方からそうした臨床現場の評価を国側に伝えていただけたことも、迅速な承認につながったと思います。

医療AIマーケットの
デファクトスタンダードをつくる誇りと覚悟。

新型コロナの事例に限らず、医療AIはこれから大きな可能性を持った領域だと考えています。日本でも臨床現場でAIが使われ始めてきたところですが、まずはこれをいかに広げていくか。ゼロイチの段階を経て1から10へと拡大していくために、マーケットのデファクトスタンダードを自分たちの手で作りあげる。現場ではどんなAIが求められていて、どう活用するのがベターなのか。どの疾患に対して、どの程度のコストなら普及が進むのか。私たちのチャレンジ次第で医療の現場を、ひいては社会を変えることもできる。そんな高揚感を持って取り組んでいます。エムスリーを支持してくださる多くの医師とコミュニケーションをとりながら、医療AIの普及を必ず実現させたいと思っています。