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実際に実施されたプロジェクトを紹介します

m3.comのKPI策定プロジェクト

プロジェクト概要

m3.comではニュースや臨床情報等医師に役立つ情報を日々発信しています。各種情報を発信しているグループではそれらの有益な情報をより多くの医師にお届けすることを目指しています。そこでメインのKPIとして、DAU(Daily Active Users)を設定していました。

しかし、日々のユーザー数のみをKPIとしている場合、1日に1回サイトを訪れていただければ目標を達成できることになります。すると、UXを改善して回遊性をあげたり、メルマガを1日2回配信して朝・夜にサイトに来ていただき、関連した情報を医師に確認いただいたり、よりタイムリーな情報を届けるといった施策を打ちにくくなります。

また、継続的に活動を行うためにエムスリーが適切な利益が確認できるような指標となっているのか、といった課題もありました。そこで新たなKPIの検討を行っていくことになりました。

実施内容

各種指標とコンバージョン金額の日次の相関を確認し、相関係数が高いものをKPI候補としていきました。指標候補は関係者と何度もミーティングを行って作成し、様々な観点から問題がないことを確認していきました。候補の洗い出しにおいて注意したのは主に以下の点です。

最終的にこれまでの1日単位ではなく、5分単位の来訪回数を新たなKPIとして策定しました。この指標は意味的には1日の来訪時間に近いものになっており、回遊性や複数回来訪にも大きく影響されます。また、実際に日別の利益との相関がDAUよりも0.2程度高いことが確認出来ています

グラフ

工夫点

指標候補の作成時には探索的データ分析を行いました。機械学習の特徴量作成等にも用いられる基本的な考え方ですが、機械的に様々な時間を区切り、複数の指標を作成して相関係数を確認しました。

実は最初の段階ではこれがきちんと行えておらず、別の候補が第一候補となっていました。しかし、訪問回数についてはより追えるようになるものの、回遊性について追うには少し弱い指標となっていました。そこでミーティングの中で似ている他の指標についても調べようという話があがり、一気に探索を行っていきました。

結果的により利益との相関が高く、また複数回訪問や回遊性向上をより促す指標を作成することができました。

まとめ・感想・NEXT STEP

実際にKPIを変更し、回遊性等も改善が出来るような指標を新たに策定することができました。また、分析の中でサービス毎の特性が明らかになり、今回の指標を優先するサービス・優先しないサービス等の区分けも出来るようになりました。
ビジネス側の要請をきちんと取り入れつつ、データ分析に用いる技術を上手く活用出来たプロジェクトだったと思います。

さらにKPI変更後、シリーズ記事のリンクを新しく追加するようにして回遊性向上の機会を提供したり、コンテンツの更新頻度を変更して来訪回数の最適化をおこなったりするような、これまでほとんど行われなかった施策が数多く実施されました。その結果としてユーザー行動にも変化が見られ、今回作成指標とDAUの比が昨年までと比較して大きく上昇しました。

このように、KPI変更を通じてサイト運営メンバーによる企画の方向性や内容を大きく変えることが出来ました。今後は今回の指標がきちんと機能していることをモニタリングしつつ、より良いサービス作りに関わっていきたいと思っています。

エムスリーの人|エムスリー株式会社【M3, Inc.】

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